2015年12月26日土曜日

「国公立大学の職員」の不正 / ANAのしたたかな戦略

アメリカのやることはいつも本当にスケールがでかい。



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大阪大学の職員による不正が相次いで明らかになっている。
国公立大学, 研究機関関連の不正はいつまでも後を絶たない。

ただし、これらにはあらゆる性質の物がある。
それを独断と偏見で整理する。

阪大教授、研究費900万円を不正受給
 大学教授が研究費を報告と異なる用途に使用し、一部が本人の財布へ帰還していた事例。

 お話にならない典型的な研究者の不正である。
 頭の切れる人の中には、良くも悪くも常識の理解出来ない人が多い。
 もしかするとこの教授も、もしかしたらこれくらいの事は大したことはない、位にしか思っていなかったのではないか。

大阪大学係長、宿泊料2300万円着服 懲戒解雇処分に
 (大学事務職員)
 大学事務職員が大学の金を着服した事例。

 国立大学の事務職員は、基本的に高学歴だがろくな仕事をしない人があまりにも多い。
 縦割り、権利意識の強さ、仕事の質の低さ、職務内容の割に高額な所得、
 そして深夜まで残る研究者を尻目にあらゆる窓口をもさっさと閉じ、
 毎日5時きっかりに列を成して家路につく等良いところが何一つ無い。

 職務をそのまま他団体へ委託するなど当たり前賃金も学長より高い人がザラという有様。
 本当にどうしようも無い人ばかりだと思う。

阪大院教授らの研究費不正経理、2.7億円 大学が発表
 科学技術振興機構の研究費にて不正な経理処理が行われた事例。

 科学技術振興機構が直接執行した費目間制限のない予算に於いて不正があったようだ。
 一部私的流用があったのかも知れないようで、そうであれば大変な問題ではある。

 しかし、少なくともほとんどは設備修理費や消耗品の購入等に使用されていたようだ。
 この教授の不正の真意は明らかでは無いが、前述の2件と比較して、
 この類いの問題では同情的に見る余地がかなりある

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近年、日本の工学系研究費は大幅な変化を遂げている。
短期で成果が出る研究、産業に直結する研究が重視され、予算配分も極端になりつつある。
  
要するにアメリカをまねている。

結果的に、上記に相当しないような、
 ・短期で日の目を見がたい研究
 ・カネにならない研究
は研究費的に切り捨てられる傾向が強まっている。

当然最終的には各研究団次第で有り、IPS細胞のようにうまく行っている事案ももちろん多い。

しかし、こんなことで良いのかと思う。

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欧米と異なり、大学研究者が教育も事務作業も研究も全てこなす我が国公立大学。
少なくとも大学の研究室レベルでは、なかなか最先端のホットな研究で競争力を持てないのが事実である。

研究室である事をやめて、ナントカ研究所として独立させた場合は話が別である。
しかしながら、この類いには悲惨な末路が余りにも多い。

ニッチな特定分野で細々と成果を上げてきた研究室が、昨今行き詰まりを見せ、
不正経理に手を染める例は後を絶たず目を覆いたくなる。

不正は不正であるが、不正経理と言っても私的流用とは質が異なる。
 
大抵は、別の手を駆使して確保したつもりの予算でなんとか本来の研究費の補填に充てている。

長い年月を掛けようやく日の目を見る研究を見捨てないで欲しい。

日本のノーベル賞の大半がそんな感じではないか。

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ANAの話。

今回は路線のやりくりについて。

前もって断っておくと、私のANAに対するイメージはスカイマークの一件以降最悪である。
そんな私が書くのだからお察し。

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開港から3年、ANA独占の岩国錦帯橋空港で発着枠が拡大される。

岩国錦帯橋空港は山口宇部空港と広島空港の丁度真ん中に有る、軍民共用空港。
在日米軍と自衛隊の飛行機の他、ANAが羽田便を4往復飛ばしている。

これに加えてANAの羽田便、那覇便がそれぞれ1往復増加するという。

これには裏がある。

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2012年12月の岩国錦帯橋空港開港から2年後の2014年10月。
ANAは近接する山口宇部空港の羽田便を2便減便した。
同時にスターフライヤーが新規航空会社枠で3便参入し、共同運行している。

ただし、この際スターフライヤーは福岡便を減便、ANAの福岡便は好転した。

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同じ事は北海道便でも。

中部-函館, 広島-新千歳 便からANAが撤退する。
いずれも搭乗率6割未満の路線。

そしていつも通り、エアドゥが同路線を新設、ANAと共同運行する。

ここでも、エアドゥの仙台-新千歳 便は2便減便となる。
必然的にANAの同路線便は好転することとなる。

この件には更に裏がある。
本年3月、エアドゥは小松-新千歳, 富山-新千歳 便から撤退。
同路線はANAが各1便を復活させる。

同月の北陸新幹線開通により羽田便利用客が大幅に減少した両空港。
いずれも新幹線開通前はドル箱であった。

来年のダイヤでは、
ANAが独占していた富山-羽田 便は2本以上減便することが確定
小松-羽田便もANAは減便するが一方でJALは減便しない

この場合は、出来なかったという方が正しい。
ANAは新千歳便を「新設」したが、JALはそもそも羽田便しか持っていなかったのだ。

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ANAはいつも実にしたたかである。

一方でANAと共同運行するハメとなった各社はどこも常に火の車
因みにエアドゥが新規導入したB737はANAのお古のリースなのである。

スカイマークも、JALとの共同運行を阻害し破綻を加速させたのは、
ANAとつながりの強い公明党の某国土交通大臣なのである。

日本初のスカイチームも泡と消え、ANAの犬がまた1社増えただけなのであった。



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