2016年1月26日火曜日

三江線廃止へ


スカイマークとANAとの共同運行が延期された。
来年以降に延期されるという。

スカイマークを途端場で救ったインテグラルの佐山社長は、
「事業の自由度がなくなり、独立が維持できなくなるので、
全日空の予約システムに入る訳にはいきません。どうかご理解頂きたいと思います。」
などと述べている。

そらそうだろう。

羽田枠を献上し、ANAのシステムを導入する事と引き替えに援助を受けた航空会社は、
全て悲惨な末路を辿っているのだから。

北海道の翼として誕生した「AIRDO」をはじめ、
南九州の「ソラシドエア」、北九州の「スターフライヤー」など、
スカイマーク以外の新規参入航空会社は何れもANAの傘下となり、羽田枠を献上している

一方、どの会社もANAの座席予約システムの「able」を導入している。
またANAの不採算路線を譲りうけ、ANAが共同運行することも積極的に行う。

ableには自由度がないばかりかANAからの機械等のリース料もかかりろくな事が無い。
不採算路線のことも含め、もちろんどの会社も採算はギリギリの所に調整される。

完全導入はずっと当初からない旨は、お伝えしていました
と主張するのも当然なのであった。

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 三江線が遂に廃止に向けて動き出した

 三江線は、過疎都市間を遠回りで結んでいる。
 JR山田線山線同様に、地域間流動の用途はほぼ皆無である。

 近郊流動では平行道路が完全に整備されており、スクールバスまで走っている
 
 三江線の存在価値は皆無となっている。

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 三江線は全線108.1km。 (東急東横線の4倍阪急神戸線の3倍の距離)

 列車の本数は最も多い区間でも1日片道5本

 輸送密度は50で、全廃された国鉄の特定地方交通線基準の1/80である。

 この時点で救いようの無さを感じる。

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 はじめに乗車人員の変遷を見てみる。

   
左端、平成4年の時点で特定地方交通線の基準を下回っている。
 それと比較しても、もうどうしようもないレベルで利用客数が減少している

 1日あたり、200人未満。1列車あたり全区間合わせて20人しか乗っていない。
 バスで十分間に合う事は確実である。

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 利用客の多い駅をピックアップしてみよう。

 両端の江津(ごうつ)、三次(みよし)を除けば、 
 1日100人以上の利用がある駅は一つも無い
 因みに、東京都内の全ての鉄道駅で最も利用客の少ない西ケ原駅は1日7,005人である。

  

 お話になる駅が全くないことがお分かり頂けるだろうか。

 川戸駅、石見川本駅、粕淵駅が辛うじて利用が無くは無いといえるので詳細を見てみる。

 ・川戸駅 (無人駅)
    島根県江津市桜江町の拠点駅
   →主要道路 : 国道261号線
   →バス路線 : あり
   →スクールバス : あり 

 ・石見川本駅 (三江線唯一の業務委託駅)
   島根県邑智郡川本町の拠点駅
   →主要道路 :県道40号線
   →バス路線 : あり
   →スクールバス :あり 


 ・粕淵駅 (三江線唯一の簡易委託駅)
   島根県邑智郡美郷町の拠点駅
   →主要道路 : 国道375号線
   →バス路線 : あり 
   →スクールバス : あり




 以上の様に、路線廃止の準備は整っている事がわかる。
 それどころか、利便性の低い鉄道からは既に脱却していると言える。

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 利便性が低いため、利用が少ないのだろうか。

 それを確認するため、平行バスを大増発する社会実験が行われた

 結果は惨憺たるものであった。1便あたりの利用客は僅か3.7名
 最も利用が多かった便でも1日平均10人未満であった。

 鉄道が廃止されても、バス路線で十分まかなえるだろう。
 そもそも平行する一般バス路線も、一日10本未満なのである。

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 沿線住民にも既に見放されている三江線をJRが、維持する意味・価値・責任は皆無だろう。

 鉄道路線が残したくて仕方が無いのであれば、
 必要と考える自治体が責任を持って第3セクターを設立して維持すべきだろう。

 これだけ利用が少ない状況で、JRに責任を課すのは明らかに理不尽である。

 JRの広島圏には30年にわたり新車が導入されず、國鐵廣島と呼ばれてきた。
 大阪のような大都市圏でも、JRは安全対策が私鉄と比べて簡略化され、国に認可されている。
 どちらも、三江線のような明らかに不要な路線の存在が大きな原因の一つである。

  鉄道コム

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